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【相続について考える、いま私たちにできること】 vol.4

【相続について考える、いま私たちにできること】 vol.4

相続税の「基礎控除」と「ボーダーライン」の計算ドリル

「うちは相続税を払う必要があるの?」「そもそもどうやって計算するの?」
そんな疑問を解決するために、今回は難しい専門用語を抜きにして、自分でできる「簡易計算ドリル」形式で解説します!

ステップ1:まずは「基礎控除」というバリアを知る

相続税には、「この金額までは税金をかけません」という非課税の枠があります。これを「基礎控除」と呼びます。

この基礎控除のバリア内に資産が収まっていれば、相続税の申告も納税も必要ありません。計算式は非常にシンプルです。

相続税の基礎控除(非課税枠)の計算式

3,000万円 + (600万円 × 法定相続人の数)
【ドリル1】あなたの家のバリアは何円?

例えば、お父様が亡くなり、相続人が「お母さん・子ども2人」の計3人の場合:

3,000万円 + (600万円 × 3人)

= 4,800万円

結論:4,800万円以下なら、相続税は0円!

ステップ2:正味の遺産額を計算する

次に、第2回で作った「財産目録」を思い出してください。以下の計算で、税金がかかる対象額(正味の遺産額)を出します。

💰 プラスの財産
  • 現預金
  • 不動産
  • 有価証券
  • 生命保険(非課税枠超え分)など
📉 マイナスの財産
  • 借入金
  • 未払いの税金
  • 葬式費用など
💡 FPのアドバイス:生命保険の「非課税枠」を忘れずに!

生命保険には別途「500万円 × 法定相続人の数」の非課税枠があります。これは相続人の生活を守るための強力な優遇措置です。

ステップ3:ボーダーラインの見極め(ドリル実践編)

さて、実際に相続税がかかるかどうかのシミュレーションをしてみましょう。

【ケーススタディ】

家族構成: 妻、長男(相続人2人)
👉 基礎控除額(バリア):4,200万円

遺産総額の計算:

  • 自宅不動産:3,000万円
  • 現預金:2,000万円
  • 葬式費用:▲200万円
  • 合計(正味の遺産額):4,800万円

図解判定:

正味の遺産額
4,800万円
基礎控除(非課税のバリア)
4,200万円
課税対象(はみ出た部分)
600万円
正味の遺産額(4,800万) - 基礎控除(4,200万)
= はみ出し 600万円
→ この「はみ出た600万円」に対して、相続税がかかります!

「えっ、4,800万円持っているだけで税金がかかるの?」と驚いたかもしれません。都市部に一戸建てを持っていると、このボーダーラインをあっさり超えてしまうのが現代の相続の怖さです。

ステップ4:税率は「累進課税」で決まる

相続税は、遺産が多ければ多いほど税率が上がる「累進課税」です。
はみ出た分が1,000万円以下なら10%、3,000万円以下なら15%……と上がっていきます。

ただし、ここで知っておいてほしいのが「配偶者の税額軽減」です。

🛡️ 配偶者の税額軽減(特例)

亡くなった方の配偶者(妻や夫)が相続する場合、
1億6,000万円
(または法定相続分)までなら相続税はかかりません。

「じゃあ、全部お母さんに継いでもらえばいいんだ!」と思うかもしれませんが、実はそこに「二次相続」の罠が隠れています。

まとめ:今回の処方箋

相続税対策の第一歩は、「敵(税金)の正体を知ること」です。

  • 自分の家の「基礎控除額」を計算する
  • ざっくりとした「遺産総額」を把握する
  • 「はみ出し」があるか確認する

もし、はみ出しがある場合は、早めの対策(生前贈与や特例の活用)で、将来払う税金を大きく減らせる可能性があります。

次回予告(vol.5)

「生前贈与の新ルールの活用法」について解説します。

2024年の税制改正で「やり方」がガラッと変わったので、
損をしないためにも必見です。

※本記事の計算式・非課税枠などの税制に関する情報は、国税庁「相続税のあらまし」「相続税の計算と税額控除」等の公表データ(2024年現在)に基づき作成しています。実際の税額計算や申告にあたっては、税理士等の専門家にご相談ください。