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【年金・社会保障】vol.4

シニア世代必見!「振替加算」と「加給年金」を知らないと損をする?

――――家族構成で受給額が数十万円変わる、申請漏れ厳禁の加算制度

「年金って、自分が現役のときに払った分が機械的に戻ってくるだけでしょ?」

もしそう思っていたら、ちょっと待ってください! 実は日本の年金には、特定の条件をクリアしたご家庭だけがもらえる「隠れたボーナス」のような仕組みがあるんです。

その代表が、「加給年金」「振替加算」

これらは、言ってみれば国からもらえる「年金の家族手当」。でも、会社の手当と違って、「自分で申請しないと1円ももらえない(国からは教えてくれない)」という厳しいルールになっています。
知らずに放置して、年間約40万円もの大損をしているシニア夫婦が実はたくさんいるのです。

今回は、この知らないと大損する2つのボーナス制度について、どこよりも分かりやすく解説します!

1. 年金の家族手当「加給年金」:年の差婚ほどおトクって本当?

まずチェックしたいのが「加給年金」です。これは、厚生年金に長く入っていた人が65歳になったとき、配偶者である年下の奥さん(または旦那さん)や子どもがいると、本人の年金にお金が上乗せされる仕組みです。

もらえる人の主な条件
  • 夫(または妻): サラリーマンや公務員(厚生年金)の期間が20年以上あること。
  • 妻(または夫): 65歳未満で、夫に養われていること(年収が850万円未満など)。

いくらもらえるの?

奥さんがいる場合の上乗せ額は、なんと年間で約40万円(※現行水準)!

ここで大事なのは、この手当は「奥さんが65歳になるまで(奥さん自身の年金が始まるまで)」もらえるという点です。つまり、夫婦の年の差があればあるほど、もらえる総額は跳ね上がります。

📊 年の差による「加給年金」総額のちがい
同い年の夫婦(年の差0年)
0円

※もらえる期間がゼロなので0円

夫が4歳上の夫婦
約160万円!

※約40万円 × 4年

夫が10歳上の夫婦
約400万円!!

※約40万円 × 10年

まさに「年の差があるほどインパクトが大きい」制度なんです。ちなみに、籍を入れていない「事実婚(内縁関係)」でも認められるので、「うちは書類を出していないから……」と諦める必要はありません!

2. 奥さんが65歳になったら「振替加算」へバトンタッチ!でも“年齢の罠”が…

「じゃあ、奥さんが65歳になったら、その40万円の手当は消えちゃうの?」

安心してください。ここでバトンタッチするのが、2つ目の主役「振替加算」です。奥さんが65歳になると、夫への手当は終わりますが、今度は「奥さん自身の年金」に一生涯、おまけ(上乗せ)としてプラスされるようになります。

これが「振替加算」の仕組みです。ただし、ここには今の現役世代や50代にとって、ちょっとショックな「罠」があります。

【要注意】昭和41年4月2日以降に生まれた奥さんは「ゼロ」

この振替加算は、もともと「昔の専業主婦で、もらえる年金が少ない世代」を助けるために作られた臨時のルールです。そのため、奥さんの生年月日が若くなればなるほど、もらえる金額が減っていく仕組みになっています。

  • 昭和28年生まれの奥さん: 年間で約12万円プラス
  • 昭和38年生まれの奥さん: 年間で約4.5万円プラス
  • 昭和41年(1966年)4月2日以降に生まれた奥さん: 0円(完全になくなります)

今の50代後半〜60代の方にとっては、まさに自分がもらえるかどうかの「瀬戸際」のラインです。奥さんの生年月日をぜひチェックしてみてください。

3. 良かれと思った行動が裏目に!勘違いしやすい3つの落とし穴

このおトクな制度ですが、実はちょっと複雑で、よかれと思った行動のせいで大損してしまうケースがよくあります。特に多い失敗を3つご紹介します。

①「年金を増やそう」と時期を遅らせると、家族手当が消える?

最近「年金を65歳でもらわず、70歳や75歳まで遅らせて(繰下げ)、毎月の受給額を増やそう!」というニュースを見たことがある方も多いと思います。しかし、夫が年金を遅らせている間は、その期間中の「加給年金(年40万円)」は1円ももらえません。しかも後からまとめてもらうこともできません。
「年金を増やそうと遅らせたのに、もらえるはずの手当が消えて、結果的に大損した……」というケースもあるので、慎重な計算が必要です。

② 奥さんがバリバリ働いて「厚生年金20年以上」だと対象外

奥さんも会社員として長くキャリアを積んでいて、厚生年金の期間が20年以上ある場合は、夫の年金に家族手当はつきません。「お互いにしっかり自立している」とみなされるためです。

③ 手続きのタイミングを間違えて、そのまま忘れ去られる

夫がまだ働いていて年金の手続きをせず、年下の奥さんが先に65歳になって自分の年金だけを請求した場合、国のデータ上で「夫婦」だと結びつかず、上乗せの手続きが漏れてしまうことがあります。夫婦で年金をもらうタイミングがズレるときは要注意です。

4. 損をしないための「我が家の防衛チェックリスト」

年間数十万円のボーナスを確実に受け取るために、今すぐできる3つのステップです。

ステップ1
「ねんきん定期便」で夫の厚生年金の期間を見る

「これまでの加入実績」の欄にある、厚生年金の月数が「240月」以上あるかチェックしましょう。

ステップ2
65歳になるときに届く「年金請求書」をしっかり書く

書類が届いたら、「配偶者(妻・夫)の情報」を忘れずに記入します。戸籍謄本や住民票、奥さんの収入証明などをセットで提出すればOKです。

ステップ3
「もらい忘れてた!」と気づいたら、すぐ年金事務所へ

「夫はもう67歳だけど、申請してなかった……」という場合も諦めないでください。過去5年分までは、さかのぼって取り戻すことができます!

💡 FPからのアドバイス:社会保障は「知っている人だけが守られる」世界

日本の社会保障はとても手厚いですが、最大の弱点は「申請主義(自分から言わないともらえない)」であることです。国や役所は、あなたにお金をもらう権利があっても、向こうから親切に「お金を振り込みますね」とは言ってくれません。
我が家の場合はいくらもらえるのか、まずは「ねんきん定期便」を開くことから始めてみませんか?

次回予告(vol.5)

現役世代の誰もが直面するリスク、
「病気・ケガで働けない! 傷病手当金の受給要件と計算の落とし穴」
をお届けします。お楽しみに!

※本記事の年金制度(加給年金・振替加算など)に関する要件や加算金額は、日本年金機構や厚生労働省の公表データ(現行水準)に基づき作成しています。個別の年金受給見込額や申請手続き、制度の最新の改正状況については、お近くの年金事務所または「ねんきんダイヤル」にてご確認ください。