~Vol.3~ 見えないお金の正体。
キャッシュレスは「魔法」じゃない!
前回は、お小遣いを通じて「稼ぐ(労働制)」と「管理する(定額制)」の違いを学びました。
さて、今の時代、お買い物は現金だけではありません。
スマホをかざすだけで「ピッ!」と買い物が終わる様子は、子供たちの目にはまるで「商品が出てくる魔法」のように見えているかもしれません。
しかし、この「魔法」の正体を教えずにスマホ決済を使わせるのは、ブレーキのないスポーツカーを渡すようなものです。
1. 「ピッ!」とした後、お金はどこへ行く?
\ 子供にこう聞いてみてください /
「スマホでお買い物したとき、お金は消えたのかな?
それとも、どこかに移動しただけかな?」
キャッシュレス決済は、決してお金がタダになったわけではありません。
「目に見えるお札」が「目に見えない数字」に姿を変えただけです。大きく3つの種類に分けられます。
SuicaやPayPayチャージなど。先に自分の財布から預けておいたお金(数字)を削って支払っています。
使った瞬間に、銀行にある自分の貯金口座から自動的にお金が引き落とされています。
「来月必ず払います」という約束で、カード会社にお金を立て替えてもらっている(借金)状態です。
まずは「自分の(または親の)お財布から、あとで確実に数字が減るんだよ」という因果関係をしっかり伝えることが第一歩です。
人間には、心理学でいう「支払いの痛み(Pain of Paying)」という感覚があります。
現金で1万円払うときは、財布からお札が減る「痛み」を脳が感じてブレーキをかけます。
しかし、カードやスマホの「ピッ!」だとその痛みを感じにくく、脳が錯覚を起こしてついつい使いすぎてしまうのです。
大人でもコントロールが難しいこの「感覚のズレ」を、子供のうちから意識させることが非常に重要です。
2. 今週の親子ワーク:見えないお金を「見える化」しよう!
キャッシュレスの感覚を養うために、今週は以下の「クエスト(任務)」に挑戦してみてください。
一週間、親がキャッシュレスで買い物をした際に、子供を「レシート回収担当」に任命します。
- やること: 買い物のたびにレシートをもらい、ノートや画用紙に貼る。
- ポイント: その横に「もし現金だったら、千円札が何枚必要だったか」を子供に描かせて(書かせて)みましょう。目に見えない支払いを視覚化します。
交通系ICカードやプリペイドカードを使っている場合、改札やレジを通る前に「今の残高はいくらだと思う?」とクイズを出します。
- 目的: 「なんとなく使っている」状態から、「常に残りの数字を意識する」状態へシフトさせます。
- ご褒美: ピタリ賞、または前後100円以内なら「今日のおかずを選べる権」など、ゲーム感覚で楽しむのがコツです。
3. なぜお店は「ピッ!」を喜ぶの?
少し踏み込んで、社会全体の仕組みについても話してみましょう。
お店がキャッシュレスを導入するのには、主に3つの理由があります。
- 速い(お客さんをレジで待たせない)
- 正確(お釣りの渡し間違いがなくなる)
- 清潔(お金に直接触れなくていい)
💡 ただし、お店側は便利な決済システムを使う代わりに「手数料」を払っています。
「便利な道具を使うにはコストがかかる」というのも立派な経済教育です。