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地震保険の「7つの落とし穴」と、あなたの家を確実に守る知識

「もし、自分の地域で大地震が起きたら?」

多くの方が火災保険と合わせて地震保険にも加入していると思いますが、安心するのはまだ早いです。実は、地震保険には「入っているから大丈夫」という思い込みを打ち砕く決定的な盲点が数多く存在します。

地震で生活が崩壊しないために、今すぐあなたの保険証券を手に取り、これから解説する「地震保険の7つの落とし穴」を確認し、確実な備えを始めましょう!

🚨 落とし穴その1:加入されている地震保険の「対象」はどこなのかを確認!!

地震保険の対象は個人住宅の場合、「建物」と「家財」に保険を掛ける事が出来ます。まずはご自身が加入された地震保険の内容を確認し、掛けている対象に対してどの様な行動を起こす必要があるのかを判断していきましょう。

例えば、賃貸物件にお住いの方々も賃貸契約を結ばれた際に火災保険には必ず加入をしているはずです。地震保険は基本的に火災保険に自動的に付保されている保険です。

請求漏れが無いように、必ず確認を行いましょう。

🚨 落とし穴その2:保険金は建物、家財の「50%」までしか出ない現実

これが最も誤解されているルールです。

地震保険は、火災保険のように建物の損害額を全額補償するものではありません。

  • 地震保険金額の上限: 火災保険の保険金額の30%〜50%の範囲でしか設定できません。※保険会社で100%の支払いにする特約もあります。

例えば、建物の価値が2,000万円で、火災保険を2,000万円かけていても、地震保険は最大で1,000万円までしか補償されないのです。

【行動】 ✅ あなたの保険証券を取り出し、「地震保険金額」がいくらになっているか、いますぐ確認してください。不足分は、生活再建のための「自助努力(貯蓄など)」で補う計画が必要です。

🔎 落とし穴その3:鑑定結果次第で保険金が決定!

被災後、あなたの家にいくら保険金が支払われるかは、保険会社の鑑定人による損害調査(鑑定)によって決まります。

建物の被害判定(全損、大半損など)は、主に主要構造部(基礎、柱、壁)の損害割合で決まるため、基礎部分のひび割れや地盤沈下の判定が極めて重要です。

※建物の構造によって鑑定箇所が異なります。

  • 外から見えにくい基礎や床下の被害は、見落とされがちです。

【行動】 ✅ 万が一被災したら、鑑定人に「基礎部分にひび割れやズレがないか、床下まで入念にチェックしてください」と、必ず自ら依頼してください。

🔥 落とし穴その4:地震による「火災」は火災保険の対象外!

多くの方が、「火事になったら火災保険が出る」と思っています。それは正しいですが、原因が「地震」の場合は話が別です。

地震による倒壊や、ストーブ・電気系統からの出火など、地震を原因とする火災で建物が焼失した場合、一般的な火災保険からは保険金は一切支払われません。

  • 地震による火災から家財を守れるのは、 地震保険だけです。

地震保険は、火災保険の「地震による火災」の免責を補うための保険だと覚えておきましょう。

🏛️ 落とし穴その5:実は「国の制度」!自由設計ができない特殊性

地震保険は、巨大地震でも保険金支払いが滞らないよう、政府が再保険(バックアップ)している公共性の高い制度です。

国の制度であるため、保険料率や保障内容は全国一律で厳格に決められており、「自由なカスタマイズができない」という特徴があります。これは安心感の一方で、個人の希望を超えた補償を得られないという注意点でもあります。

🏢 落とし穴その6:企業の「事業継続」と個人の「生活」は別!保障の違い

会社で地震対策(BCP:事業継続計画)が進んでいるとしても、それは企業の設備や利益を守るための保険です。

  • 会社の保険は、あなたの自宅と家財を守ってくれません。

あなたの自宅と家族の生活を守るためには、あなた自身の「一般型地震保険(家財含む)」が必要です。企業の制度と個人の備えは、きっちり区別しましょう。

また、個人住宅用の火災保険が国が作った保険である為、保険金の計算方法が統一されているのに対し、企業用の地震補償は各保険会社が各々で作った商品であるため、損害に対する保険金の支払い方など保険会社により違いがある為、改めて補償内容の確認が必要となります。

🚗 落とし穴その7:自動車は別枠!津波で車が流されても車両保険では「出ない」

津波被害が心配される地域では特に要注意です。

  • 地震に伴う津波で車が流されたり、損壊したりした場合、一般的な自動車の車両保険では保険金は支払われません

これは、火災保険と同様に「地震・噴火・津波による損害」は車両保険でも免責とされているためです。

【行動】 ✅ 自動車保険の証券を確認し、「地震・噴火・津波危険車両全損時一時金特約」などの特約が付いているか確認してください。付いていない場合は、地震発生時の車を避難させる場所を家族で決めておきましょう。

✨ まとめ:今日から始める「確実な備え」

2025年12月8日の青森地震は、私たちに「備え」の重要性を思い出させてくれました。

地震保険は加入して終わりではありません。内容を理解し、不足分を知り、行動することが、被災後の生活を守る最も確実な一歩です。

 ➡️ 今すぐ取るべき2つの行動

  1. 保険証券の再確認: ご自宅の地震保険金額火災保険の免責事項自動車保険の特約をいますぐ確認しましょう。
  2. 不足分の計画: 地震保険の50%上限を超える損害が出た場合、自己資金でどう補うか(貯蓄、ローンの見直しなど)の計画を立て始めましょう。

「入っているから大丈夫」ではなく、「内容を理解しているから大丈夫」という安心感を、今日手に入れましょう。